2012/12/22

ドグラ・マグラ/夢野久作 著


 最初に。
 本小説を読むに当たっては、筆者の紹介よりも息子が「ドグラ・マグラ」という本を持ってます 表紙のイラストが怪しげです 裏表... - Yahoo!知恵袋のベスト・アンサー紹介文が実に的を射ておりましょう。
 必見です。

 良書は何度読み返しても面白いものです。読めば読む程味わい深く、噛み締める程に新たなる発見がじわりと滲み……まあ程度にも依りますけれどもね。
 そんなわけで改めて読み返しまして。三大奇書の一書。素敵な響きですね。「日本異端文学史上の三大偉業」「日本探偵小説の三大巨峰」「日本アンチミステリの三大巨篇」なんても呼ばれるそうです。荘厳な響きですね。実に期待は高まるばかり。
 しかしてその実態たるや、期待に十二分に応え得る、濃密濃厚に濃縮された小説です。怪奇と、神秘と、幻惑と、妖艶と、エログロナンセンス種々雑多を闇鍋仕立てに盛り込んで、食えるもんなら食ってみろと言わんばかりの小説です。そうしていざ食してみると、悪寒はするわ冷や汗垂れるわ、一口毎に眉間に皺寄り五感を痺らせ、最後の一口までふうふうと食して――そんな読後感ばかりが後頭部あたりにシクシクと残るという、えらくオモシロオソロシイ小説です。

 こんな小説が、筆者は大好きなのです(笑

2012/12/10

お伽草子/太宰治 著

 ノロウイルスが猛威を振るう今日此頃、筆者は単なる風邪でぶっ倒れました。吃驚する程ただの風邪。ノロりたい訳ではないですが、流行というものにはとんと疎い筆者です。
 今回はさる親友に教えて貰った小説から。皆様もご存知の御伽草子「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」の、太宰治先生的二次創作小説です……って言い方で良いのかしらん。
 当初は「桃太郎」も考えていらっしゃったようですが、先生は日本一の快男子を安易に書く事は罷りならんと、大事にすべきこの貴い国で第一を冠する彼の物語を描写する事は避けるべきと、潔く放棄せられたそうです。そちらは「舌切雀」冒頭に、実に確りとした考えで記されております。ナカナカ好きな考え方です。
 ところで「桃太郎」については本作より前に芥川龍之介先生が二次創作? しています。こちらもこちらで解釈が面白かったと記憶しています。更にところで、太宰先生は芥川先生に傾倒していたそうですね。