2014/01/26

蟹工船/小林多喜二 著

 実家方面に用事が出来て、最近の土日は新幹線に数時間揺られて過ごしております。そんな時間は本を読むのに限りますね。ただ通勤電車と違って、ゆったりした席に座れるうえに振動もそれ程酷くないものだから、陽気に当てられてうとうとと……。
 そんなわけで何か面白そうなものと見繕ってみましたが、過去読んだものの再読も良いかなと思いましてこちらを。二巡目ですが、所謂プロレタリア文学というやつです。

2014/01/24

こがね丸/巌谷小波 著

 我乍ら影響され易い性質というのは困り者だなと日々思うのですが、社会生活を営むことは良くも悪くも誰彼との交流を経てこそ成るもの、とそんな大それた事を考えるまでもなく、例えば日々の食事においても、きっと我々は何かしら他者の命をその身に取り込むのですから、そうして身体を補い生きているのですから、まずそこに影響を受けず我々が我々として在ることなどは出来ない事でしょう。多かれ少なかれ自己というのは他者への依存無くしてはおよそ成立しないものなのです……何てちょいと胡散臭げな言い訳をしつつ過ごす毎日です。説話集なんてのを調べつつ腰を据えて読んでいると、ちょっとした事にさえ妙な考えになるものですね。これも影響。
 さてこちらは前回の投稿をお読み下さった方、前回紹介した書籍を読了なされた方はフフンと気付かれたことでしょうか。日本近代児童文学のパイオニア、巌谷先生の処女作品を読んでみました。

2013/12/31

書楼弔堂 破暁/京極夏彦 著

 ここ暫く気力が萎えてしまい読書ができませんでした。何が駄目だったわけでもなく只、気力が湧かないというのは実に困ったものです。とはいえその間にも「それから/夏目漱石 著」を読み返したり「年中行事覚書/柳田國男 著」を読了していましたが、どうにも感想を得るに至りませんで。夏目先生の文は筆者にとり最上で、柳田先生の民俗学的知見は素晴らしいものなのですが、ウーン読んだらお腹いっぱいになって寝ちゃった感じ。それはそれで一つの感想なのかも知れませんが、時と共に風化してしまいます。あまり嬉しいものではありませんね。
 他にも調べ物に長いこと掛かっているものがあったりと理由はあるのですが、さて置いて。これではいかんなァと思い久々に新しいものを読んでみた次第。新シリーズだったこともあり若干敬遠してまだ手に入れてなかったのですが……京極先生の新刊です。

2013/06/02

三四郎/夏目漱石 著

 読みたい本を片端から手に入れるのは良いんですが、読書に要する時間の長さと理解に至る考察の鈍さと興味を保つ精神の弱さには筆者自身辟易する事甚だしく。本を読むという行為は常に楽しくなければ嘘だと思うのですが、儘ならないものです。
 そんな中でも創作小説は良いですね。創作それ自体には罪がありません。嘘も真も隔て無く呑み込まれています。そこにはただ、オモシロイがある。そんなわけで日々の仕事に魂を削られるなか、せめて通勤時などの空白時間、休日外出時の喫茶休憩くらいはと、好きなものを読む日々を過ごしております。

 通しで読んで二巡ですが、折角読了したので今回は夏目漱石先生の「三四郎」をご紹介致します。あまりと言えば有名過ぎる作品故、筆者如きが分不相応とは存じますが。

2013/05/29

遠野物語 remix/柳田國男 原作、京極夏彦 著

 まとまった連休が取れたので親友と二人旅をしてきました。基本的には温泉を愉しみつつ日頃の疲れを癒やす目的でしたが、無計画を常とする筆者と親友は今回も例に洩れず日程ギリギリで行先を決めたのでした。岩手は花巻温泉郷、宮沢賢治先生の愛した温泉地なのだそうです。
 青空文庫で何冊か読みましたが、月並乍ら先生の作品は「風の又三郎」「注文の多い料理店」等、童話チックな作品こそが映えると筆者は思います。特に語り口調の表現はそうした作品と実に調和しており、幻想世界の描写が非常に美しいのです。その世界観はまた牧歌的であるばかりでなく、何処か黄昏にも似た侘しさであったり、木陰に潜む何者かのようなうそ寒さを含んでいます。けれどそれは決して劇的ではなく、静かな湖面がその内側からユラリと波立つような妖しさで。湖底に潜む何者かは決して姿を現さない、その正体が詳らかになることはないのですが、ただそれが先生の作品の魅せる幻想であると……些か抽象的に過ぎますが、筆者は先生の作品をそのように捉えております。
 そんな宮沢先生のお生れは丁度今回の旅先である岩手花巻なのでした、というのは旅から帰った後で知ったわけですが(汗
 しかしそんな事実もまた、成程なあと納得してしまうところがありまして。というのも、岩手といえば妖怪莫迦には外せない遠野郷。柳田國男先生の編纂された「遠野物語」で有名ですが、宮沢先生の作品はかの近代妖怪譚の雰囲気をどことなく彷彿とさせるところがあると筆者は感じるのです。また遠野郷が花巻からは車で大体一時間強でして、決して近いとは言えないかも知れませんが、およそ源流はそうした土地柄にあるのではないかな、と思うわけなのです。

 前置きが長くなりました。しかも今回の紹介は宮沢先生の作品じゃないってのに(汗